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調剤薬局経営者のための「処方箋の統計情報」

調剤薬局経営者のための「処方箋の統計情報」

平成29年度の1年間の調剤医療費は、7兆7,129億円でした。平成29年の日本の人口は1億2,671万人ですので、調剤医療費を国民一人あたりに換算すると、60,872円になります。

調剤薬局数はコンビニよりも多くなっている

薬局数は59,138施設です。薬局は毎年増加しており令和に入ってからは60,000施設を越えています。日本全体の医療費、その中に含まれる調剤医療費とも増加し続けていますが、それ以上に薬局数が増えているため、薬局1施設当たりの薬剤医療費は増加していません。

 

薬局数の増加の大きな要因には、大手ドラッグストアによる保険調剤薬局の開局や出店があります。今年も連日のように大手ドラグストアのM&Aのニュースが報じられました。ニュースだけを聞いていると大手薬局のシェアが非常に高くなっているように思えますが、実際は調剤薬局は他の業界と比べて圧倒的に大手の市場占有率が低い業界と言えます。店舗数ベースでの上位10社の市場占有率は9%にとどまっています。

大手のマーケットシェアが非常に低い調剤薬局業界

自動車、携帯電話、宅配便、ゲーム機、コンビニ、牛丼業界などは、圧倒的に強い大手がいますが、調剤薬局業界では大手と言ってもシェアは数%です。今後、大手のシェアは高まっていくことが予想されますが、業界全体が業界のリーダー企業の動向を見て付いていけば良いような状態には当面(10年以上)は、なりそうにありません。中小の薬局が日本の調剤薬局業界全体、および、そこに来る患者さんを支える状態は続きます。

 

都道府県別薬局数ランキング

人口10万人あたりの薬局数が最も少ないのは福井県で37.9店です。逆に最も多いのは佐賀県で63.4店です。
1位の福井県と3位の埼玉県を比較すると、10万人あたりの薬局数はほとんど変わりません。しかし、全体の薬局数は10倍ほど埼玉県の方が多く、県の面積は福井県が10%程広いので、100平方キロメートル当たりの薬局数で比較すると、福井県が約7店に対し、埼玉県は約75店あります。成田空港より少し大きい面積内に福井県は薬局が1店しかなく、同じ面積に埼玉県は8件以上ある計算になります。

都道府県別処方箋1枚当たりの薬剤料

内服薬の処方せん1枚当たり薬剤料を都道府県別にみると、最も高いのが福井県で7,096円、最も低いのが佐賀県で4,575円でした。福井県は人口10万人当たりの薬局数が最も少なく、佐賀県は人口10万人当たりの薬局数が最も多い県です。平均投薬日数が福井県26.5日に対し佐賀県は19.4日となっており、これが処方箋1枚当たりの薬剤料の差に表れています。薬局数が少ない福井県では、薬局に行く負担が佐賀県に比べて大きく、一枚の処方箋で多くの薬が処方される傾向にある可能性があります。

まとめ

単純に比較はできないところもありますが、人口当たりの薬局数、面積当たりの薬局数などは今後の薬局出店や経営に参考にして下さい。

 

> 薬局の統計(補足資料・PDF)

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